COVID-19のおかげで週末出かけられない。レコード屋もいけないし、ライブハウスに行ったら何を言われるかわからない。映画も展覧会も見たいものがたくさんあったけど全て延期か中止。2020年の春はそんな悲しい状況。この時間を使って今までにやったことないことにチャレンジする人、リレーで素敵な歌を届けてくれる人、この状況でも働かざるおえず頑張っている人、3〜5月という本当なら生活が切り替わりイベント目白押しなのにStay Homeをするしかない人、休業をするしかなくトンネルの先に光がいつ見えるのか?と呆然とする人。この時間で自分も何かしよう!と思って作ったのが、カセットテープ棚でした。
目標とするカセットテープ棚
拾い物の画像ですが、欲しかった棚はこれ。カセットを1本1本入れることができて壁にこの棚がある部屋も素敵でした。色々と調べると、"Napa Valley"というメーカー?の棚でビンテージもの。アンティークとして売っている店もあり、1万円強。探していた時点では「ちょっと高いな」と思っていましたが、、、。
図面を引いてみる
増え続けるカセット、積んでいると下のを取る時に困る。欲しいけど1万円は高いなと思ったカセットテープの棚。暇な時間に画像検索をして構造を調べ、100本くらい入るカセットテープ棚を設計というほどでもなく線を引いてみた。最初に作った図面では計算すると材料費が1万円を超えてしまい、再設計したのが以下の図面。
加工しやすいシナ合板(4mm)とヒノキの棒を使った廉価板。かなりもったいない板取りですが、ちょうどいい感じにすることができず。加工費と送料合わせて4,000円くらいでした。
出来上がりはこんな感じ。外枠は4mmの合板を貼り合わせて8mmに。縦にヒノキの棒を5本入れて仕切る感じです。デザインとカセットテープを取りやすくするために外枠は80mmと60mmの板で段差をつけています。ピンクの物体がカセットテープです。
こだわりポイント(?)は、カセットを取り出しやすくするため、棚板は60mmに(カセットテープの奥行き方向は70mm)。仕切りの縦棒をカセットの面とツライチにしたところ。工作精度がわからなかったので、カセットの上下左右は少し余裕を持たせましたが、もっと攻めてよかったです。
組み立てる
本当は暇なGW中に作ろうとネット注文した板でしたが、GWには間に合わず。DIYセンターもこぞって自粛中なのでネット通販にみんな殺到したのでしょう。それはしょうがない。ちょっと不安もありましたが、きっちり梱包されて家まで届きました。
以下、こう作りましたという記録なだけで反省会にも書きますが、これが正解でもないです。ご参考までに。あと、木工工作が得意でもなんでもないただの素人です(DIYは好きですけど)。
きっちり作らねばカセットテープが入らない!とかもあり得るので、板は予めパネルソーで切ってもらいました。まずは裏板(D)に線を引いて準備をします。
次に外枠の「A+C」、「B-1+B-2」を貼り合わせます。今回、4mmのシナ合板と薄いので全て木工用ボンドの接着のみに頼っています。なので圧着は必須。こんな感じで板を貼り合わせていきます。 4箇所で圧着していますが、仕上がりを考えるともっと徹底的にやるべきでした。
板の貼り合わせが終わったら、外枠を組み立てます。今回、90度になるように圧着する器具を使いましたが、なくてもいいかも。ここで半乾きのまま裏板(D)を付けたところ、若干曲がったのと、はみ出したボンドをちゃんと拭き取らなかったのが反省点の一つです。
次に、棚板(A)を24枚、21mm間隔でボンド付していきます。これが辛かった。4mmのシナ合板が結構歪んだり反ったりしていて、そのままではまっすぐ立たない。21mm間隔をしっかり守りつつまっすぐ棚板をボンド付していくのは結構大変でした。イマイチな接着状態の棚板もいくつかあり。また、ギリギリのサイズで板が切られているので、棚板が入らない時はやすりをかけます。
間隔を保ちつつ接着するために、段ボールで21mmの治具を作り、それを立てつつ作業をしていきました。途中から慣れて、うまくできるようになりました。ですが、ここでもボンドがはみ出て仕上がりが汚く...。ボンドをいかに拭き取るか?が次への課題です。
作った棚にカセットテープが入らないと意味がないので、Venus Peterの「ジャンボリング」を使って間隔が取れていることを確認しながら作業をします。
24枚の棚板が接着完了し組み上がったら、色を塗ります。今回は、ステイン(オールナット)で板に色付けして、外枠とヒノキの縦棒だけニスで仕上げます。棚板にニス塗ると、ニスとカセットテープケースがくっついてしまいそうで怖かったので塗ってません。
1回ステインを塗っただけでは色が薄いです。好みの濃さになるまで重ね塗りします。「ステインを塗る→240番の紙やすりをかける」を4回くらい繰り返しました(見えないところは途中から塗ってません。面倒なんで)。
ヒノキの縦棒5本は予め別でステインを2回くらい塗っておいてから接着。重石はその辺にあったCD。後からヒノキの縦棒を付けた理由は、棚板の色を塗りやすくするため。これは正解だったかも。終わってから思ったのですが、組み立て前に少し色を塗っておいた方がきれいにできたかも(それが正しいやり方かは分かりませんが)。
ステインを塗り終わって240番の紙やすりをかけたあとが以下の写真です。ほぼ完成状態で嬉しい。目指したカセットテープ棚よりも深い茶色になりましたが、これはこれで良い。ちなみに全部部屋で作ったので細かい木屑がひどいことになりました。このあと、外枠とヒノキの縦棒の部分にニスを塗っていきます。
カセットテープを入れるとこんな感じになります。いい感じ。ニスを塗ってないと、マットな仕上がり。
「透明の水性ウレタンニスを塗る→400番の紙やすりをかける」を3回繰り返して完成!板が届いてここまでちょうど1週間でした。重さは測ってませんが結構重い...。これをそのまま壁に固定するのは諦めました。
完成!
カセットテープを入れてみるとこんな感じ。ちょっと感動。一つ一つの部屋に分かれていて大きさの割には100本しかカセットが入らないけど、それでも美しいのでOK。今回気づいたのはレコードよりもCDよりも背の幅があるので、それぞれカラフルで個性的。横文字が多いので、この収納方法が一番美しいのではないか?
まだまだ好きなカセットはあるしこれからも増えそうなので、また時間を見つけて第二弾を作りたいです。
拡大するとこんな感じ。カセットテープの上下左右にちょっと余裕を見過ぎたかも。板厚も4mmあるので、カセットとカセットの間は結構大きめです。そのおかげで取り出しやすいです。ヒノキの縦棒がいいアクセントになっています(自画自賛)。
反省会
最後に今回の反省点の備忘録。次の設計に活かします。出来がイマイチでも、自分の作ったものは愛着が湧きますね。DIYはその点も楽しいです。
- アンティークショップで売っている1万円強の棚は安い(人件費を考えると)。
- 4mmのシナ合板、思ったよりも反るし、自立して立たない。力を入れてちょっと反りをとろうと曲げたら折れた(実はこの完成した棚板の1枚は折れたモノを補強して使ってます)。
- 先に外枠を作ってそれを裏板に接着する際、歪んだ。キッチリサイズで板を切ってもらったのではまらず、80番の紙やすりで削りつつ調整して棚板を入れたのが面倒だった。
- 棚板の間隔を21mmに保つのが難しい。棚板が495mmと長過ぎた。カセットの横幅サイズ(120mmくらい)で切っていくのが良さそう。
- 接着で使った木工用ボンドのはみ出しをきちんと拭き取らないと色を塗るときにムラムラになる。どうやるとうまく拭き取れるか?は要調査。