コロナ禍でどこにも行けない正月。あまりに暇すぎて、レコード棚(と、レコード)を作りました。と、言っても1/10サイズのミニチュア版。昨年末に発売されたTechnicsのミニチュアシリーズでシルバニアファミリー用のDJブースを作ります。ですが、途中からミニチュアそっちのけで狂ったようにレコードを生産する話になります。
Technics Miniature Collection
2020年12月に発売された「Technics Miniature Collection」はその名の通り、テクニクスのターンテーブルやCDプレーヤーなど全5種を1/10サイズくらいで再現したミニチュアモデル。SL-1200 mk5 & SH-EX1200(現在休眠中)を家でも使っており、予告が出た時から買うことは決まっていました。
ガチャガチャは新橋と秋葉原駅構内にあるようです(他にもあると思いますが、公式)。久しぶりにやりましたが、レバーを回す緊張感、ガチャガチャという音、あがりますね。
カプセルもカッコイイ。銀色と黒のコントラスト。わかってらっしゃる。
レコード屋さんやAmazonで売っているのはこちらのボックスタイプ。もちろん、中身は全然わかりません。どの店もレジ前とかに置いてあります。
左がSL-1200 mk2、右が最新のSL-1200 mk7。うちのターンテーブルはSL-1200 mk5。SL-1200 mk2時代はカバーが本体とくっついている構造で、SL-1200 mk7は単に上からかぶせる構造。そこも忠実に再現されててなかなか素晴らしい。SL-1200 mk7はトーンアームまで黒い!mk5が壊れたらmk7を買いたい、でも壊れないジレンマ。
その後、SL-DZ1200 (CDJ)が4つ出たり、なかなかミキサーにたどり着かない状況が続きました。ここがガチャガチャの怖いところ。まとめて買うとコンプリートがたやすいです(おそらく)。小金を持った大人は、最初から12個入りを買うべきかも。
レコード棚の作成(3 x 2マス)
SL-1200シリーズの場合、「当たり」になるとミニチュアレコードが付いてきます。盤は30mmのプラスチック製。溝もちゃんとあって、ターンテーブルにのります。スリーブは33mm角くらい。大体1/10くらいの縮尺です。これを見てて思いついてしまったのが「棚を作ろう」ということ。3 x 2マスのレコード棚を作って、SL-1200 2台とミキサーをのせるとシルバニアファミリーもDJできるのではないか、、、と。
まず作成したのは3x2マスのよくあるレコード棚。後述するレコードを作っていくと、面だししたくなり着脱式の飾り棚も作成。同じものを作る人はいないとは思いますが、作り方を公開します(写真の実際に作ったものはプロトタイプのため以下の説明とは若干異なるところがあります。プロトタイプに比べて改良が加わっています)。
材料
ホームセンターもしくは通販で、檜材買ってきます。憧れのヒノキのレコード棚(ただし1/10)。材料費は全部で700円くらい。薄い板なので個体差が大きいです。なるべく反ってなくて厚みが近いものを選んで購入しましょう。青字は着脱式の飾り棚を作るための材料。本体 (3 x 2のレコード棚)だけでよければ不要です。かなり材料が余ります。そのため、余った木で他の棚が作りたくなります。
- 2mm x 40mm x 900mm ... 2枚
- 2mm x 2mm x 900mm ... 1本
- 2mm x 5mm x 900mm ... 1本
- 5mm x 10mm x 900mm ... 1枚
木材を、カッターナイフ or 糸鋸とかで切断していきます。薄いので加工は楽ですが、木目のところが若干切りづらいこともあります。
- 2mm x 40mm x 130mm ... 4枚 (天板、底板、裏板)
- 2mm x 40mm x 76mm ... 4枚 (横板と縦棚板)
- 2mm x 40mm x 126mm ... 1枚 (横棚板)
- 2mm x 40mm x 130mm ... 2枚 (飾り棚)
- 2mm x 30mm x 30mm ... 1枚 (三角形に半分に切る)
- 5mm x 10mm x 170mm ... 2本 (飾り棚を支える棒)
- 5mm x 10mm x 20mm ... 2個 (本体裏)
- 5mm x 10mm x 65mm ... 2本 (本体裏)
- 5mm x 10mm x 115mm ... 1本 (飾り棚の裏面補強)
- 2mm x 2mm x 130mm ... 3本 (レコードを飾るための溝)
- 2mm x 5mm x 130mm ... 3本 (レコードを飾るための溝)
このサイズを切るために「ユニバーサルソー」と「マイターボックス」を使うと綺麗にできます(ということを、この棚を作った後に知りました)。
組み立て
まず、棚板に切り込みを2mm x 20mm入れます。というのも、板厚が薄いので接着が非常に難しい。以下のように互い違いの切り込みを入れて6マスできるように組みます。切り込みは、カッターナイフで根気強くやればできます。
仮組み。3 x 2マスの本体はこんな感じのBoxに作ります。この状態だと高級料亭の弁当箱のよう。檜、すでに美しい。
飾り棚の面だしするためのレールを3本作ります。写真だとわかりづらいですが、L字型に2mm x 2mmと2mm x 5mmを組み合わせて2本作成。T字型は1本作成。T字型はキッチリ真ん中ではなく、片方は1mm、もう片方を2mmとするとレコードの面出しし易いです。
色を塗る場合、予め塗っておいた方が良いかもしれません。今回は、余っていたオイルステインを使って、使い古したような感じを目指します。檜の木目が綺麗に出ます。雰囲気でます。
本体側は箱に組むだけ。裏板は、2mm x 40mm x 130mmの板を2枚接着します。棚板をヤスリで削って若干小さめにするとうまくハマるかも。あとは木工用ボンドの力で押しつければイイ感じにできます。
飾り棚部分は両脇に支えの棒を立ててレコードを面出しするためのレールを接着していきます。上側は比較的余裕を持っても良いのですが、下側は結構ギリギリレコードが入るサイズで作らないとできた後、落っこちてしまいます。先ほど作成したT字型のレールの2mm側を下にしてくっつけます。サイズを見つつ、慎重に。
裏側はこんな感じで。着脱できるようにしていますが、不要な場合は接着してしまえばOK。両脇の支え棒を固定するためにガイドの棒と三角形に切った押さえをくっつけます。支えられれば良いので、ここはこの通りに作る必要はありません。飾り棚の裏側は、補強を斜めに入れています。
これでレコード棚は完成です。飾り棚には6枚のLPが面だしできます。夢の面だし。リアルではできないですが、ミニチュアなら可能!この棚にレコードが入って、ターンテーブルとミキサーがのる姿を想像しながら、レコードの生産に入ります。
Record Shop Andy風
板が余ったので作成してみた、その1。
惜しまれながら昨年3月に閉店した名古屋大須のレコード屋さん、Record Shop Andy風。下の部分は、ディスクユニオンのレコードラックを参考に。3段の面だしの段差が特徴。図面を引かずにざっくり作ったため残念ながらサイズに誤りがありましたが、雰囲気は出たのではないかと。裏板が大きいので今回は3mm厚にしましたが、安定感を考えると4mmシナ合板でもいいかも。
参考にしたRecord Shop Andyの棚。最終日の模様。
ディスクユニオン DURC280-NA風
板が余ったので作成してみた、その2。
最近発売されたディスクユニオンのレコードキャビネットDURC280-NA風。本物は、17mm厚のパーチクルボード&MDF製で、280枚収納可能。これをリアルに縮小した感じ。これくらいなら図面に起こしたあと、2hくらいあれば形にできる。上部が4分割でレコードをサクサクできるのがいいですね。レコード屋をミニチュアで再現するときには、部屋の真ん中に置きたくなるやつです。
まとめ
ここまでで、ミニチュアターンテーブル&ミキサーを置くためのレコード棚が完成しました。さらに余った板でレコード棚も作成。レコード棚があればそれをレコードで一杯にしたくなります。後編では、レコード棚にいれるレコードを作成というより、生産します。切って貼って、狂気の短調作業の先には大きな自己満足がありました。