Happy Day,Happy Time!

Happy Day, Happy Time!、略称hdht!。20年前にやっていた音楽Home Pageのブログ版。主に参加させてもらったDJの記録です。

1/10サイズ レコード&棚を作る (後編)

昨年末に発売されたTechnicsのミニチュアシリーズ用のレコード棚を作った前回。今回は、1/10サイズのレコード盤を作成するお話です。iPhoneで手持ちのレコードの写真を撮り、印刷、切り抜いて貼るの繰り返し。作成というより生産という言葉が合う作業でした。

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前回の復習

前回はStay Homeな年末年始、暇すぎてTechnicsのミニチュアシリーズに合うサイズで、レコード棚を作成しました。憧れの総檜の棚。ミニチュアなので作成も楽、場所も取らない。これは何か沼の始まりなのかもしれない。レコード棚を作ると、その棚をレコードで埋めたくなるのが心情。今回は、1/10サイズで自分の持っているレコード盤を再現していきます。

tarai-hdht.hatenablog.com

レコード(LP)の作成

棚を作ったらその棚をレコードで埋めたくなるのが心情。最近購入しているアナログはシュリンクを外していないので、iPhoneで写真を撮ると反射して光ってしまう。そのため、シュリンクのない昔買った盤や中古で買った盤を中心にミニチュア化していきます。なので、最後の写真を見るとわかりますが、偏ってます。(苦笑)初期ベルセバが多いのは、Jeepster期のBoxをまるまま写真を撮ったから。

材料

材料は、We love ダイソーで買ったケント紙(中厚)。少し厚めの方がレコード感が出ます。後述のゲートフォール仕様は、これより少し薄めのケント紙を使いました。あとは、印刷するためにカラープリンターを用意します(コンビニのカラープリンタでも可。差し込み印刷できるかは要確認)。接着には木工用ボンドを使いました。材料費はほとんどかかりませんが、労力はかなりかかります。

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作り方

同じものを作る人はいないとは思いますが、参考までに。実際作業をすると狂気を感じると思います。

まず、家にあるレコードの写真をiPhoneで撮ります。撮るときには、スクエアサイズで撮ることをお薦めします。ジャケの表裏、レコード盤の表裏の計4枚を撮影。黒いジャケやレコード盤は自分が映り込みますが、それもまた手作り感があってよし。ジャケの痛みなどもまた味になります。撮った写真は年末年始のテレビ番組を見つつ、iPhone or Macでトリミングしていきます。

撮影した写真を、Macの「Pages」(MSのWordのようなソフト)を使って、ジャケと盤を作成します。ここでジャケにはのり代を付けて、サイズは33mm角。レコード盤は31mmくらいでコピー&ペーストしていきます。MacだとWYSIWYG完璧でサイズ指定ができて、そのまま印刷されるので便利。A4 1枚から、8枚のレコードが生産可能です。

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カラープリンタで印刷したら、組み立てていきます。流れは以下です。切り取りはカッターナイフと、コンパスカッターを使うと綺麗にできます。

  1. 印刷します。
  2. ジャケとレコード盤を切り抜きます。ジャケののり代部分(見づらいですが緑の波線を入れたところ)に、カッターで薄く切り込みを入れると折りやすいです。
  3. ジャケを組み立てます。
  4. ジャケののり代と、レコード盤を木工用ボンドで貼り付けたら完成です。

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紙を丸くくり抜くのに便利なのが、コンパスカッター(サークルカッター)。その名の通り、コンパスの鉛筆部分がカッターの刃になっているもの。最初のうちは、白い方、ダイソーで買った100円のを使っていました。これが100円で作れるダイソーは素晴らしいのですが、回転させるのに親指と人差し指が痛くなります。

次に買ったのが、OLFAのコンパスカッター(黄色い方)。これが素晴らしい。回転させるところがラチェットで、指が全く痛くならない!この使い勝手は感動的で、いくらでも丸く切り抜けそう。

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こんな感じでレコード盤をくり抜いていきます。ラチェットなので、回して戻して回して戻して2回転くらいすれば綺麗に切り抜けます。OLFAの道具は使いやすくて価格も手頃。替え刃も付いていてコスパいいです。
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ボンドが乾けば完成です。ミニチュアレコードを10円玉と比較すると大きさはこれくらい。小さいですがそれでも、なんの盤かはわかります。レコード盤もリアルですが、ここは完全に自己満足。ジャケの中にレコード盤は入るので全く見えません。
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カラービニールも再現。昔の盤はBlack Vinylが多いですが、最近はスプラッター仕様も多いです。さすがに180g重量盤などの再現は無理。インナースリーブ、歌詞カードなど再現すると面白いかなとは思いつつここでは諦めました。
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試しにいくつかゲートフォールド仕様も作成。いわゆる、見開きジャケです。写真はNick Drakeの銘盤"Pink Moon" (再発)。2枚組もいけます。見開きで絵になる盤とかいいですね。特殊ジャケの再現も楽しいです。

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完成!

作成したレコード棚にレコード(150枚くらい)を入れていきます。やはり全てのマスにレコードが埋まっている姿はいいですね。まずはSL-1200 mk2 & SL-DZ1200。後ろの飾り棚は着脱可能。SL-DZ1200は実物見たことないですが、結構でかい。
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後ろに飾り棚を付けるとこんな感じ。6枚面だしできます。本物っぽく見えます。リアルな面だしをすると焼けが気になったりしますが、ミニチュアだとその心配もなし。ゲートフォールド仕様も面だし可能でした。2mmにしておいてよかった。
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かなりよれてますが、作成したレコードをターンテーブルに。スプラッター盤のJetstream Pony。ミキサーとヘッドフォンの再現性も非常に高いです。シルバニアファミリーもDJパーティーできます。
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余った木材で作成したRecord Shop Andy風。ちょっと寸法を失敗している所もありますが、2段8枚の面だしと、階段状のタテ入れも美しい。ディスクユニオンだと下のヨコ入れのところはセール盤など格安が入っていることが多いです。ここも要チェック。

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ディスクユニオン DURC280-NA風にもレコードを入れてみます。納まりいいですね。タテ入れが4分割されていてサクサクできるのも良いし、ヨコ入れも4分割されていて枚数が少なくても使いやすい。このサイズであれば、次のTechnicsミニチュアシリーズでディスクユニオンとコラボしてもらい、「棚作成キット」をガチャガチャに入れてもらえるんではないかと。DULP100の完成版を入れて、これを複数買わせるというのもアリですね。

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おまけ:レコード(7")の作成

ここで終わるはずでしたが、勢い止まらず、7"も作成。見ていただくとわかりますが、10円玉と比較するとかなり小さいです。普通のコピー用紙で作成。17mmくらいの盤に、19mmくらいのインナースリーブと挟み込みのジャケ。もちろん、外袋(ビニール袋)も作成。袋になっている7"は本物と同じ方法で再現。DSPSの7"は他の7"と盤入れる方向が逆だなぁとか新しい発見もありました。

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Postcard (問題:以下の盤は何でしょう?)やWack Wackの7"は穴あきのスリーブで、そこから盤のレーベル面が見えるデザインが最高なので、そこも再現しました。カネコアヤノさんの雷音レーベルのシングルはさらにインナースリーブの中にも絵が書いてあるデザインが秀悦なんですが、両面印刷できずで再現できなかったが残念。

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1日かけてこれくらい作るのが精一杯。ちょっと光ってしまっているのは、外袋が付いているから。外袋は、本物(?)の外袋を20mmくらいに切って作っています。袋の形にする方法はネットで調べて目玉クリップで挟んで1mmくらいビニールを出して、ライターで炙るだけ。この方法を見つけてしまってかなりうまくいくことが分かってしまったことが、7"制作に拍車をかけました。
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SL-1200mk2と一緒に。のっているレコードはPizzicato Vの"Happy Sad"。ドーナツ盤で穴をくり抜くのが非常に大変でした。このままだとバラバラになるので、収納箱も作りました。30枚収納可能。
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まとめ

これはビジネスチャンスかもしれない。人生の分岐点でレコードを処分するとき、その音源をMP3化及びミニチュア化するサービス(檜のレコード棚付き)。50枚 (5万円)、100枚 (10万円)、150枚 (15万円)コースから選んでもらい費用から買い取った代金を差し引いて精算(レア盤があれば逆にプラスに)。最期は一緒に燃やすことも可能(紙と木だから)。

なんて妄想をするくらい暇な年末年始の記録でした。特に作って何になるわけでもないものですが、狂気の先には大きな自己満足があったので個人的には楽しかったです。
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