(つづき)最終回。カセットは聴けば聴くほどに音が悪くなる、切ないアナログ再生装置。経年劣化もあります。それもまた良いところの1つだけど「何度も繰り返し聴く」=「お気に入り」のはずなのに、再生を躊躇してしまうのは勿体無い。古い音源、カセットでしか聴けない音源をデジタル化する方法について簡単にまとめます。
# 今回はほぼ音楽ネタ0です。
用意するもの
最低限用意するのは「パソコン」と「カセットプレーヤー」。ソフトは後述しますがフリーのものがあります。前編で紹介したカセットプレーヤーであればUSB Audio Captureケーブルは不要です。ヘッドフォン端子 or RCA端子しか付いていないカセットプレーヤーの場合は、別途USB Audio Captureケーブルをお買い求めください。
- パソコン(MacでもWindowsでも。以下、Macでのやり方を書きます)
- カセットプレーヤー(なんでもいいです)
- USB Audio Captureケーブル(必要に応じて)
USB Audio Captureケーブルとは以下のようなもの。通常の音声出力をパソコンで取り込んでくれます。安いものでAmazonで2,500円くらい。
私が使っているカセットプレーヤーは、USB給電ができるタイプでした。電池が入っていると電池優先のようなので、USB給電する場合は電池を抜くようにしてください。
以下、私の環境でのやり方を簡単にまとめます。細かいやり方は、Google先生で「カセット」「MP3」とかで検索してもらえれば親切なまとめがたくさんあります。ここでは、「あ、結構簡単にできるのね」と感じてもらえればと。
PCへの取り込みソフト
私はMac Book Proで「Audacity」というフリーソフトを使ってます。素人で細かいことはできないので、これで十分!以下のURLからWindows版もMac版もフリーダウンロード可能です。まずは、これをインストールしてください。
Audacity ® | Free, open source, cross-platform audio software for multi-track recording and editing.
あとでMP3形式にするために、「Lame」というエンコーダーもインストールしておきしょう。
free mp3 converter - Lame for Audacity - FFMpeg for Audacity - Free and Safe downloads
このページも参考になると思います。「Audacity」で検索するとインストール方法もたくさんでてきます。
Audacity: Free Audio Editor and Recorder
PCに取り込む
カセットテープで再生した音を、リアルタイムでPCに取り込んで録音する方法について書きます。
カセットプレーヤーとパソコンをUSBで接続したら、Audacityを起動しましょう。 立ち上げたら、[Audacity]-[設定]の「録音」を選択。「スルー再生」のところ、チェックボックスを入れます。
次に元の画面に戻って、マイクのところを「USB Pnp Audio...」に変更します。これだけで、カセットテープの音が取り込めるようになります。簡単!
早速録音しましょう。あとで曲ごとに切り出せるので、全曲続けて録音します。録音するには「●」ボタンを押します。その後、カセットテープを再生します。画面に波形が表示されて録音が開始されます。録音が終わったら、「■」ボタンを押して停止させます。
ノイズ除去と正規化(ノーマライズ)
Audacityで色々と聴きやすくする方法があります。メニューの「解析」と「エフェクト」のあたり。とりあえず、今回は2つだけ紹介します。音量が小さい時には音の調整をしたり、コンプかけてメリハリつけたり色々とできます。
ノイズ除去
「サーーーー」という均一的に入っているノイズを減らす方法。
- 取り込んだ音源の無音部を数秒分、ドラックして選択する。
- [エフェクト]-[ノイズ除去]を選択。「ノイズプロファイルの取得」ボタンを押下。ダイアログが閉じる。
- 取り込んだ音源全体を選択する(Cmmand+Aを押す)。先ほどと同じく[エフェクト]-[ノイズ除去]を選択。今度は「OK」を押下する。
正規化(ノーマライズ)
全体を平均化します。これはやってもやらないでもいいかも。極端にレベルが違う曲が繋がっているときには有効です。
- 取り込んだ音源をCommand+Aで全選択する(一部正規化も可能)。
- [エフェクト]-[正規化]を選択。「DCオフセットの削除」にチェックボックスが入っていることを確認して「OK」を押下。
曲を切り出す
あとは、繋がって取り込んでいる音源を、曲ごとに切り出してファイルに落とせばOK。曲を切り出す方法は以下のとおり。
- まず、切り出したい1曲分をドラックして選択します。虫眼鏡アイコンの「ー」を押して縮尺を変えたりするとやりやすいです。
- [ファイル]-[Export]-[選択したオーディオの書き出し]を選択する。
- ダイアログが出てくるので、曲名とMP3のエンコードを選びます。
- 「メタデータタグを編集」ダイアログが出てきますが、これはあとでもできるのでとりあえず「OK」を押す。
これを曲数分繰り返していけばOK!あとは、iTunesにドラッグ&ドロップすれば、iPhoneとかでも聴けます!
まとめ
全3回で古くて新しいカセットテープについて、簡単に説明しました。まとめると、言いたかったことは3つです。
- ポータブルのカセットプレーヤーは、安いやつであれば3,000円くらいで買える。
- 2018年現在、カセットテープ中心にリリースしているレーベルもある。年1でカセットストアデイも開催されるなど、一部で盛り上がっている(かも)。
- カセットでしか聴けない音源のデジタル化も簡単に可能。
コンポにつないで聴くこともできますし、CDやレコードに比べて安く買えるメリットもあります。まだまだ過去のメディアではない!カセットテープを楽しんでみてください。